QDT 2018年1月号
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116連載 部分床義歯を究める松本勝利 Katsutoshi Matsumoto歯科医師・医療法人社団慈愛恵真会 あらかい歯科医院福島県南会津郡南会津町関本下休場729‐1 今回は、レストの形態および設定位置について述べていきたいと思う。レストは、前号でも記載したとおり部分床義歯の沈下を発生させないように行うだけでなく把持装置の設計も考慮しながら行い、かつ開口反射を考慮してその付与時に考慮する必要がある。 そして、レスト形成部の歯根に対して過度の為害作用を及ぼさないように、つねに窩洞に対してスイベル(〔英〕swivel。自在軸受け、回り継ぎ手)な挙動が可能なようにし、そのどの部分においても丸みをもって形成されるようにし、決して角張ったレストを形成しないようにする(図1)。 まず前歯部ではシンギュラム(基底結節)レストが基本となる。もし、基底結節の発育が悪い場合には、インサイザル(切端)レストを設置することも視野に入れて行う必要がある。そしてもちろん、臼歯部にはオクルーザル(咬合面)レストを設置する。 そして、レストの設定において、臼歯部の中間欠損であればNear-zoneとする(図2)。前歯部の中間欠損はNear-zoneのレスト設計とするのであるが、前歯部の複数歯連続欠損は、前歯部歯槽頂を軸としてローリングという回転成分が働いてしまう。そしてこの力のかかるモーメント方向に抵抗する歯が前方近心方向に存在しないために、「前方遊離端欠損」という考え方のもとに中間歯欠損という考え方だけでなくこの回転力に抵抗する部分床義歯の設計も考慮して行わなければならない。よってNear-zoneだけでなくFar-zoneにもレスト設計を行う必要がある(図3)。このとき、患者にとって強い違和感が発生しない設計も同 1レストの形態・位置について部分床義歯を究める連載第3回 部分床義歯設計の概念②―レストの位置・形態について―SPEAKER’S ARTICLECホール10/7(SUN)午後Q‌D‌T第8回 日本国際歯科大会2018SPEAKER’S ARTICLE10/6(SAT)午後第8回 日本国際歯科大会2018Dホール116QDT Vol.43/2018 January page 0116

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